2010年7月4日、2011年1月30日に再演と、全3回に渡って催された顔田顔彦ライブ「I Want You・お前がほしいんや」 。無名の俳優が主役、他一名が俳優、他はすべて素人という構成で作られた、2時間を超す前代未聞のマジックショー。3回公演ともに超満員、大盛況で幕を閉じました。
 人生とは、与えてもらった素材を使って自分でプロデュースし、それを楽しむもの。今や、伝説となりつつある顔田顔彦ライブ。その第一回目のスタッフ&キャストの日記を、もの作りへの一助になればとの想いで、ここに公開します。
佐々木由喜雄(制作担当/笹本警察官ほか)
 1月中旬、下北沢の小さなシアター「空間リバティ」に玲子ちゃんと1回目の下見を兼ねて契約に行ったのが、顔田顔彦ライブの具体的なスタートだった。
 リバティの多賀谷さんと酒井玲子ちゃんとはまだ2回目のはずなのに、彼らはすでに「友達」であり、料金も破格で契約も順調であった。そればかりか、彼女は初対面の私と多賀谷さんをも「友達」にしてしまった。本当に玲子ちゃんの『友達づくりパワー』はスゴイ!
 下見の印象=とにかくステージが「ちっちゃい」。間口3間、奥行2間、高さ1間半=昨年のぺるライブの約半分である。大丈夫か?でも中身はこれからだし、何よりプロデューサーである荒木会長のGOが出てるんだから心配ないか、と思い直した。
 7/4(日)のみの1日契約。当日仕込みの当日本番の当日バラシ、なんだか忙しそうだなぁ〜と、漫然とは感じたが、これがあのジェットコースターライブの始まりという自覚は全くなかった。
 中身が殆どわからないまま時が過ぎていった。劇団大人計画の俳優であり放送作家でもある、プリあら会員の福田君こと主役の顔田顔彦さんは、黙っていればそんなキャリアをまるで感じさせない「奥ゆかしさ」をもっていた。
 そんな顔ちゃんが、やってみたい事として考え出したアイディアは3シーンのみ、ヤクザ、島原の乱、ガードマンだ。会長は、まずそのコンセプトに手を加え、おちを加えて全体を作品になるように構成したようだ。
 ある時、会長が楽しそうに仰った。福田の書く科白は面白いよ、島原なんか笑ったよ。
 顔ちゃんは、その後、やりたいマジックや出て欲しい人などを思いつきで勝手に会長に申告したようだ。胴体の切れるあの「レーザーイリュージョン」をやってみたいとか、介護をしてるおじいさんとマジックをしてみたいとか、タジマジックさんやムッシュ佐久間さんに出てもらいたい等々、アイディアにもなっていない断片の数々、それに何の脈絡もない3つのバラバラのシーン、その殆ど何も無いに等しい所からあの大作に向かって、会長の全体構成、脚本、演出は始まって行った。
 時折、会長からお聞きする内容は、もちろん面白いのだけれど、はっきり言わせて頂ければ、意味不明、凡人の理解力を超えていた。個人的には1970年代、大学の先輩である唐十郎さんの不条理で面白い状況劇場(紅テント)を彷彿とさせる感じで、その不条理さに新鮮さと懐かしさが入り混じり、一体どうなるんだろう?とドキドキした。
加納 実(照明)
 私がこのライブに関わったきっかけは、佐々木さんからの電話でした。「福田君のマジシャンとしての初単独ライブを荒木会長プロデュースでやることが決まりました。プリあらのスタッフだけで照明、音響、舞台などすべてこなす小規模な企画ですが、照明だけは加納さんにお願いできないでしょうか?予算もないので機材は会場にある物だけ、一人でできる範囲でお願いしたい」というような内容の話です。
 福田さんとは去年ぺるライブでご一緒しただけだったのですが、俳優の福田さんがマジックショーっていったいどんな??という好奇心、期待感があったのと、複雑な内容にはならないだろうという誤算もあり、軽い気持ちで引き受けたのでした。
 ライブの日が近づき、チラシができあがった。見るとずいぶんと盛りだくさんな内容になるみたいです。荒木会長宅では連日深夜まで打ち合わせしているらしいという情報が聞こえてくる。次第に好奇心と期待感は一人でできるのだろうかという“不安感”に変わっていくのでした。
 一週間前のリハーサルの日、ようやくその全貌が見える日がやってきました。豪華ゲストマジシャンを迎え予想を超えた規模の舞台の稽古がスタートする。そして驚きの内容です。
 マジックショーというよりもお笑いライブ?芝居というよりもコント?そんな短編のストーリーの中にマジックが織り込まれ、ダンスや歌を絡めて全体がショーとしてまとめられている。見たことのない作品です。
 福田さんという役者をマジシャンとしてどうプロデュースするかという一つの答えが、こんなショーになったということなのでしょうか。ぺるライブに続いて、また荒木マジックを見せつけられたという感じです。
 稽古を見終わって荒木さんに「想像していたよりも、かなり凝った内容でびっくりです」と言ったら「どうせやるならおもしろい物を作りたいからね」とのこと。ある意味当たり前、妙に共感できる話でした。
 当日は朝から舞台とともに照明の吊り込みやプログラミングの作業です。どんな情景、演出で見せていくか、大がかりな舞台セットがない作品では照明の果たす役割は大変大きいのです。
 ダンスや歌など華やかに見せたいシーンでは佐藤理恵さんが作ったカーテンが照明の足りない部分を補ってくれました。
 しかしそれにしても物量も時間も足りない。結局これまでの経験、いつもの手法、技巧を少しずつ駆使して出来る限りのことをやるしかない。自分としては、もっとやれるのではなかったかという不完全燃焼の思いを残しつつ本番が始まります。
 しかし、超満員のお客さんが後押ししてくれました。事故がいくつかありましたが、そんなことは帳消しにするぐらいの笑いの渦に包まれた楽しいライブでした。
 このライブの再演を予定しているそうですね。さらにパワーアップした作品を期待します。そのときは私も頑張ります。最高のライブをみんなで創っていきたいです。
松本 勝(役者:現場責任者・松山ほか)
 荒木一郎先生の演出・プロデュースによる顔田顔彦ライブ。
初めて話を頂いた時は、マジックのショーと歌とダンスに芝居を・・・
 荒木先生に会って話を聞くまでは、もっとミュージカル的なショーの要素が強い感じかなと。ところがどっこいでがっつり芝居重視な舞台でした。
 ただ僕と顔田さん以外の方は、芝居に関して全くの素人。おまけにいうと僕は手品の素人(笑)それに世間一般的に一つの舞台を仕上げるのに商業演劇では2週間ぐらい、小劇場の世界では1ヶ月ぐらいみっちり稽古をやって本番を迎えるのが普通ですが、顔田ライブはなんとたったの3回!
 荒木先生が演出をつけてくれるがたった3回。正直、稽古場に行くまでは「出来るのか?」と不安はありました。まぁそんな不安も荒木先生の演出が始まった途端かき消されましたが(笑)
 僕も色々なとこでお芝居をやらせてもらってますが、改めて演出の大事さを身をもって理解出来ました。荒木先生の演出通りにやると芝居が素人なメンバーでも、ちゃんと生きてくるんですよね。
 僕は僕で芝居に対しては柔軟な方ですが、まだまだ足らない部分が多いなと荒木先生の演出を受けて実感しました。
 ただ僕はマジックの事は全く分らないので、マジックを全く意識しない芝居のアプローチでしたので、荒木先生に演出の意図を教えてもらって勉強になる事が多かったです。
 一度、荒木先生に質問しました。
松「なぜ日本に今までこの様なエンターテイメントショーが現れなかったんですかね?」
荒「演出家が芝居も音楽もマジックも全てちゃんと理解出来てないと成立しないからだよ」
松「荒木先生しか出来ないって事じゃないですか(笑)」
荒「(微笑)」
まだまだもっと荒木先生の演出を受けて吸収したいですね。
押忍!
佐々木由喜雄(制作)
 何もわからないまま、4月下旬の深夜、アイスタジオに顔ちゃん、タジマジックさん、むっしゅさん、山田さん、堀さん、私と6人のオジさんが集まった。録音の為である。曲目は「世界は二人のために」。
 ダミ声と金切り声の錯綜する、いかにも怪し気なオジさんコーラスが世田谷の闇に響き渡った。ポンチョを着てソンブレロをかぶってオープニングに皆で唄うんだよ、と会長にご説明頂いた。ハァ・・ハイ?・・その時点でこのコーラスの意味をちゃんと理解できたオジさんはいなかった。
 そのうちに早々と会長デザインのチラシが完成した。その迫力に驚いた!超カッコイイ顔田顔彦の写真画像に、7月4日=米国独立記念日と称して何と、オバマ大統領とマイケル・ジャクソンのイラスト入りコメント? そして名文が綴られていた・・。
 迷優 顔田顔彦があなたに贈る 奇想天外・誰も体験しなかったマジックショー I WANT YOU お前が欲しいんや。
 「助けて、殺される・・」と、依頼を受けた探偵・顔田顔彦はその街へと飛ぶが、そこには摩訶不思議な事件が待っていた。唄あり謎あり、ダンスあり。恋と夢とが交差して、やがては殺人事件へと発展して行く前代未聞のマジックショー。第一景、ロックンロールの夜から、島原の乱を体験し、クライマックス・天国への階段まで、全十八景。謎は謎を呼び、息もつかせないスピード感と面白さ。
 わけのわからない文章なのに、絶対見たくなるこのワクワク感は一体何だろう?
 十八景もあるんですか?と会長に伺ったら、ニコニコ笑いながら、まだ何も決まってないよ、との事。ハァ?・・呆気にとられた。その数週間後、最終台本が固まって仰天した。きっちり全十八景になっていた!!!
酒井玲子(制作助手)
 「I WANT YOU おまえが欲しいんや」顔田顔彦初ライブでは、おじいさん役の芝原さんのメイクと顔田顔彦さんのメイクをさせて頂き、スタッフとして日記も書かせて貰えて、凄く嬉しいです!
 以前、プリンあらモードmagicクラブの例会で福田君がベテランの役者さんだと知り、紅白の名刺を貰ったとたん「え?顔田顔彦?、なんで、こんな名前なの?」と、つい言ってしまった私に「まー,そう、へんでしょう、それは、実はかくかく、しかじかで」と、少し気分を害しながらも、何故この役者名になったかを、とても詳しく説明してくれたのを覚えている。
 去年の10月、荒木会長がプロデュースされ、大盛況だったペるライブONEの舞台で初めて福田君を見たとき、身体の動かし方や表情の面白さに、福田君ってこう言う演技をする人なんだと初めて知り感激しました。
 その後、福田君が荒木会長から、20年、役者をしてきたことをもっと生かしてシチュエーションの中で、マジックを演じることなどについてのお話をしてもらっている場面を何度か見ました。  
 こんなに凄い話をしてもらって福田君は幸せだなと見ていて思いました。
 荒木会長はいつも、本人が気がつかない、その人の中にある才能や本当にやりたい事を見つけてくれて、どうしたら実現できるかのヒントまで教えてくれます。そしてその通りにすると、必ず、その人が人から羨ましがられたり、人気物になってしまうんです!まるで魔法のように奇跡が起こるのを何度も見せてもらいました。
 福田君の初ライブは私の人生の中で、まさに奇跡のような面白い出来事でした!
 ある日「どこか近くでライブ会場探さないとなあ」と、荒木会長がおっしゃったので「誰のライブですか?」と聞くと「福田のライブ」それを聞いた私は「わーとうとう福田君のライブやるんだ!楽しみ」とルンルン気分で早速、次の日に下北沢の小劇場を手当たり次第廻った、が、どこも一日だけ貸してくれる小屋が無く、またかなり先まで空いてないのだ。
 改めて下北沢は御芝居の街なんだと驚いた。が、諦めの悪い癖で、一番やさしそうな芝居小屋のお兄さんに、「お宅がだめでも、どこか空いてるとこないかな?安くていいところ、20年役者やってきた顔田顔彦って言う役者さんの初ライブなんですよ、是非!どこか知らない?」と尋ねてみた。お兄さんは今から始まる芝居の準備で忙しいのに、後を追いながら頼み続ける私。きっと紹介しないとこの人、帰らないと思ったか、熱意が伝わったのか分からないが「じゃ?うちの系列じゃないけど、リバティに行ってみたら、空いてるかも」と教えてくれたのだ。
 お礼を言って駅から1分の「空間リバティ」へ。芝居小屋のおじさん多賀谷さんはもと役者で面白い人だった。意気投合?と私はかってに思い早速、ニコニコ金額交渉へ
 「役者20年やってきた顔田顔彦さんの初のライブで、あーでこーで」と話すと、「じゃあ良いですよ、特別平日料金にして上げましょう」と多賀谷さん、いい人だ。特別に1日貸しもOKしてくれて、日にちも、結構空いていてラッキー。
 荒木会長に「福田くんに合う感じの会場で」と、写真を見せながら伝えてる時に「良しそこで決めよう」と即決された。「初めてやるライブだから、このぐらいの会場が丁度いいだろう」とのことだった。
 この時まさか、あんな、超大作になろうとは私は思ってもいなかった。会長が福田君と話して7月4日がライブの日に決まった。ここからもう奇想天外なことばかりが始まった。
 荒木会長は即チラシのデザインを考えられていて、それが面白いのなんの! 7月4日はアメリカの独立記念日だから、そう言う感じのデザインにしょうと会長。いつも荒木会長が最初におっしゃる「そう言う感じ」は本決まりになるアイデアで、凄くて面白いことばかりだ。
 その日も夕食のテーブルを囲んでいる時に「紙とペン貸して」と会長。読ませて貰って皆大笑いした!そこにはチラシに記されてた米国大統領オバマのコメントが書いてあった。マイケルジャクソンのコメントも即出て来て、これを聞いた時には横っ腹がいたくなるくらい笑ってしまいました。
 荒木会長は本当に凄い、7月4日のライブ日をここまで面白く意味ずけ出来るなんて信じられない!と思いました。オバマさんとマイケルのコメントを早速、次の日、友達に言ったら「面白い、そのライブ行きたい!チケット買う」と、まだ内容も顔田顔彦さんの事も知らないのに、改めて人を引きつける面白いコメントに感動しました。こうして会長が創られた両面刷りのチラシが出来た時も今まで見た事も無いマジックショーのチラシに感激して、すぐにあちこち自慢しに行きました。
 リバティにチラシを置いてもらうため持って行くと、多賀谷さん、「わーなんか、凄いねーずいぶん豪華なチラシ作ったねー」とびっくりしていた。
 行きつけのお店を廻ってチラシを渡すと、面白い反応ばかり!
 表を見ると「うっきゃー強烈ですね!」「うわっすげー」とか裏をみて「でも顔田さんてカッコイイですね」など、全員が面白がってチラシを欲しがりました。本当にすごいです。
 まだライブを見て無いのに既に顔田顔彦さんは人気物になってしまいました。
 初めてのライブに向けて、どんどん超大作になっていく中、本番にむけて何度か色々な公民館で稽古を繰り返し、みんなの絆が強くなっていくのを感じました。
 役者さんとしては顔田顔彦さんと松本勝さん以外素人のはずがまるで、なんとか劇団の仲間に見えてきました。
 稽古を見ていても、どのシーンも面白くてたまりません。会長の創られた大作のナレーションを聞いているだけで、笑いと涙が同時に出てしまい、稽古でこんなに面白いんだから本番はどうなるんだろうと、楽しみで仕方がありませんでした。
 でも、不安も感じました。シーン事に衣装変えがあり、どのシーンもマジックがあり、面白いセリフも沢山あり、美しい美女五十嵐ひとみさんとのダンスもありと、サイドから見ていても失礼ですが福田君大丈夫かなと、とても心配でした。聞いてもしょうが無いのに「福田君大丈夫?」と聞くと「まーまー大変ですけど、なんとかなるでしょう」それを聞いてさらに心配になった。
 ある日オープニングで使えるかと買いに行った着け毛を福田君に見せると、いきなり「あーそれ衣装で取れちゃうから使えないな」と言われ「そう、じゃあ、取り替えてもらうね」と言ったが内心ムっとしていた。今思えば彼も余裕が無かったんだろう。
 でも本番が近づくにつれて、荒木会長との色々なやりとりの中で福田くんが変化していくのを感じました。
 またオープニングで使う、もみあげを買ってきて見せた時は「あーこれいいですねー、わざわざ買って来てもらってありがとうございます」と、もみあげを嬉しそうに見ている福田君にびっくりし、とてもいい感じになったなと応援したい気持ちでいっぱいになりました。
 前日まで稽古して、いよいよ本番アメリカ独立記念日の日を晴天で迎えた。
 オバマ大統領は公務で忙しくてみえなかったようだが、リバティの前には下北沢でも珍しいお客さんの長蛇の列ができた。
 舞台を見てびっくりした。理恵ちゃんの作った幕で華やかなステージが出来上がっていたのだ。
 本番前、楽屋でおじいさん役の芝原さんのメイクをしていると、見るからに日焼けした、土方としか思えない後ろ姿の人が・・。よく見たらパフォーマーのムーラさんだった。感動!
 まるで、本物としか思えないのに、口調が優しいムーラさんなので、やっぱりムーラさん、はまりすぎていると思った。そこには、シルクハットをかぶった裏通りのマジシャンたじまじろが、天然のかまもとが、皆、緊張と興奮で、いっぱいだった。怪しい姿のチャーリーは「佐久間さん、お弁当ありますよ」と言うと「オーサンキュウ、サンキュウ」と、英語でこたえる。チャーリーになりきっていて可笑しかった。本番10分前、仕上げに芝原じいさんの頭にシッカロールをたっぷり振りかけた。
 オープニングがスタート、お客さんから、歓声と拍手が起こった!
 舞台裏で私は山田恵美子さんと「ウケてるね!」と密かに盛り上がっていた。
 細い通路のような舞台裏で皆つぎの出番に向けて、早着替え!恵美子さんの冷静で無駄の無い動きは、本当に素晴らしいと思った。つぎの着替えに戻ってくる福田君の滝のような汗を素早く拭き素早く着替えさせる。息の合ったコンビ、恵美子さんと福田君がコンビに見えて面白かった。
 私も着替えの隙をぬって素早くメイクする。本番いくつも、ハプニングがあり、裏では緊張する瞬間が何度かあったが、さすがプロの松本さんは皆をはげましていた。
 あっと言う間の2時間だった。会場から出て来るお客さんは皆興奮して、感想を聞くと「来て良かった」「凄く面白かった」と出演者に声をかけたり写真撮影までしていました。
 会場から出て来たタレントのペるちゃんが「凄くおもしろかったです。笑いの中に涙もあって、とても良かった!」とおっしゃっていました。
 後日、多賀谷さんにご挨拶に寄ったら「うちで、あんなにお客さんがいっぱいになるライブは珍しい、いつもは、へらすことはあっても、客席がたりないぐらいだったでしょ、さすが荒木一郎さんだね、顔田さんも顔が売れてよかったですね!」と多賀谷さん特有のジョークに笑いました。再演するならまた使ってくださいと頼まれました。
 ライブを観に来た人達に色々、感想を聞きました。「色々な御芝居とか見てきたけど、あんな、おもしろさは、初めてでした」とか「もう1度観たいな」とか「思い出して笑っちゃう」など、食べた事無い珍味でまた食べたくなる料理のようなショーだったんだなと、友達の感想を聞いて思いました。
 こんなに凄いライブの仲間に入れて貰えて荒木先生本当にありがとうございました。また忘れられない思い出ができました。
 1月30日の再演がもの凄く楽しみです。観に来られなかった人達をみんな誘って、楽しい時間を皆で味わいたいです!
佐々木由喜雄(制作)
 5月に入ると俄然、忙しくなった。マジック(山田さん、顔ちゃん)、カーテン(理恵ちゃん)、照明(加納さん)、音響(タローさん)等の確認のため、堀さん、玲子ちゃん、恵美ちゃんにも付き合ってもらって、リバティの多賀谷さんがビックリするほど何回も下見をした。
 アイスタジオでの打合せ・・稽古?では、むっしゅさんの迷演技に笑い、タジさんとわか葉ちゃんの真面目さに感服した。今回初めてのお付き合いになる俳優の松本勝さんの演技は衝撃的だった。
 一番驚いたのは顔ちゃんの自信満々の筈のマジックだった。山田さんが頭を抱えた。そこから松戸の「山田集会所」と北赤羽の「福田集会所」での稽古が連日のように続けられた。マジックに関して会長から一任された山田さんの危機感は凄かった。後日、自分の事でもこんなにやった事はないよ、と仰ったほど、真剣に手順を考え、道具を作った。
 対して顔ちゃんに危機感はなかった。「ま、小劇場なんかだとこのタイミングでここまで出来ていれば、全然OKですよ」。顔ちゃんが太鼓判を押せば押すほど、みんなの不安は募った。
 荒木会長の「女性を思い出しながらフワ〜ッと始まってス〜ッと終わるマジック」というイメージだけで、回想シーンのマジックを創り上げた山田さん。「誰でも簡単に出来るように道具を作ったから大丈夫ですよ」
 その初稽古で、顔ちゃんに手順指導を終えた山田さんが、吐き捨てるようにつぶやいた。「これ以上簡単には出来ねェヨ」
 しかし山田さんは諦めなかった。顔ちゃんもめげずに山田さんに付いていった。結果、素敵な回想シーンが出来上がった。他のシーンの稽古も続いた。堀さん、中宿君、芝原さん、松本さん、むっしゅさん、ムーラさん達が都合をつけて、入れ替わり立ち替わり、松戸や赤羽に参加してくれた。
 もちろん、何と言っても一番頑張ったのは顔ちゃんだった。彼は最初から何もかも自分でやろうとしていた。脚本、芝居、マジック、ダンスはもちろん、その道具作りから衣装、小道具の手配まで全部である。あ、それ大丈夫ッス。俺、やりますから。彼の口癖だったが、後半あまり出なくなった。
 何か、気がついたら皆さんやって下さってるんで、あんま俺、言わない方がいいかな?って思って、その方が楽なんで。山田惠美子さんや堀さん達、見兼ねたみんなが動き出していた。顔ちゃんは演技とマジック、ダンスに集中した。布団に寝ずに、集会所の板の間で寝てしまう事もあったが。
 会長に見て頂く稽古は、6/18(金)芝居とマジック、6/20(土)ダンス、6/27(日)全体稽古、そして本番前日7/3(土)夜の通し稽古、の4回のみであった。
 何故かこの時期、稽古に使う会場がとれず、四苦八苦しながら会場を押さえてくれたのは、ダンスチームでありながら、チケット管理などで超忙しいハルちゃんだった。チケットも無事完売してくれた。スゴイ
 全体の稽古で、顔田ライブの全容が明らかになった。全体を見るのは初めてという人が殆どだった。例えば、照明として初めてプロの加納さんと仕事をする久住君や、ダンサーとして参加しながら、殺人現場の野次馬や天使としても登場する美佳さんも、その内容にビックリしていた。
 とにかく全十八景が全て面白い。みんなの緊張と興奮がその弾けるような笑顔に溢れていた。正に奇想天外、不思議で楽しい、そして感動する、こんなに凄いライブだったとは!!! 今更ながら自分の感性の鈍さが恥ずかしかった。絶対成功させるぞ!恵美ちゃんの超美味しい、手作りおにぎりを頬張りながら思った。
佐藤理恵(舞台装飾)
 顔田顔彦ライブ、、、打ち合わせ、準備、リハーサル、本番、この期間中、もの凄く楽しかった。特にラスト1ヶ月は顔田ライブの事をしていない時間でも楽しい。1日24時間、興奮していた。
 「凄く楽しい」という言葉だと、ありふれていていて、そんな単純な面白さじゃない。こういう気持ち、この身体のワクワク感を言葉で表すならば、どんなだろうと、ボキャブラリーのない自分なので「凄く」の類似語を調べたのですが、あてはまるものがなかった。私には初めての体感でした。
 私は舞台のバックカーテンを作らせてもらいました。カーテンの生地はペルライブ同様でお金がかけられないので、CB Family Xmas Partyで使った生地をリサイクルすることになります。
 普通は舞台全体のバックに吊るすカーテンは、照明によって、いろいろと変わる白っぽい生地が基本だと思って探すのですが、、、白っぽい生地は、すべてぺるライブで使ってしまい、残っていません。残っているのは、クリスマスカラーの赤や緑。
 まさか、クリスマスカラーにするわけにはいかない。少しだけ青のラメが残っていたので、その上にメッシュの金、銀ラメをのせれば、、と。
 これが良い、というよりも、これしかない。という感じで、先生に「これでいこうと思うのですが、、、」と聞いたら、佐々木さんも来てて忙しかったのか、「いいんじゃない。それでいこう。それで決まり」と、言いい、すぐに佐々木さんといろいろと話してて、、、私としては、初めての色つき生地だし、すごく不安だったんだけど。。。
 ま、先生からOKも一応でているし、、ということで、青のラメ生地で作り始めました。でも、ずーーーっと、不安でした。照明があたったときのイメージがわかないし、今回の顔田ライブはいろいろなシーンがある。とくに「島原の乱」で、この青に金、銀ラメが良いのか?全く想像すらできませんでした。
 当日のリハーサルで青の照明が2本があたったとき、綺麗で雰囲気のあるカーテンになり、めちゃくちゃ感動して騒いでしまい、先生は忙しい中でもきちんと見てくれているんだ、それで良いんだーーと興奮しました。
 ショーが終わり、先生が話してくれたことがあります。
 いろいろなシーンがあり、そこには、それぞれの背景があるように観えただろ。ぺるライブではカーテンの他に看板を吊るしたりしたけど、今回はカーテンの他は何もなしで、それぞれのシーンに背景があると観客に思わせられると思ってやったんだ、と。
 実際にバックにあるのは、私の作った青いカーテンのみです。
 でも、工事現場のシーンでは、後ろは高層ビルが立ち並んでいるように見えた。公園のシーンは花壇があるように感じました。島原の乱では昔の山々の風景。
 あるように感じていただけで、本当は何も無い。構成された演出により、どのシーンも背景が七変化したのです。
 その話を聞いてから、私は写真も撮らせてもらっていたので、沢山の写真を見たのですが……写真は青いカーテンがあるのみ……。あのライブで観たもの、感じられたものはまさにマジックです。
 「顔田顔彦ライブ」プロデューサーである荒木一郎先生。私はプロデューサーとは、その日一日、7月4日をどう作るか、ということをしているのだと思っていました。でも違いました。
 このライブをやると決まってから7月4日までの間の、福田さんこと顔田顔彦さんという人間が、変化していく姿を見させてもらい……また、色々なところで人の成長を感じさせてもらいました。
 先生は、「顔田顔彦ライブ」という素材を使い、ライブだけでなく、そこに関わるすべての人の人生をプロデュースしてくれているんだ、と。私たちに、最高の遊びを楽しませてくれている、ということも。 
 この体験、体感は忘れられません。私の人生で最高な宝物です。ありがとうございました。
山田秀樹(マジック製作・指導・老眼のやくざほか)
 私は、今回の全18景にも及ぶ顔田顔彦(福田)ライブの中で使用されるいくつかのマジックの道具製作、併せてその道具を使った手順の構成、実技指導、既成手順の修正、アドバイス等をさせて頂きました。
 それぞれのシーンで福田君が演じる、私の関わったマジックの道具一つ一つに、いろいろな思いやエピソードがあるのですが、タネやアイデアに関わることが多いので個別に書くことはやめておきます。
 今回のライブにおいて演じられるマジックは、単にそれを演ずるというものではなく、観客が楽しめる様に構成されたショーの中に、極めて効果的にそれぞれのマジックが組み込まれる様に台本が作られていました。
 私の役目は、その台本の意図をできるだけうまく表現できる様な道具を作成し、手順を作っていくことなのですが口でいうのは簡単でも、できるまでには手間暇かかりました。勿論プロデューサである会長の修正のアイディアやアドバイスを受けて手直しを行い、OKを頂いていきました
 さて、マジックの道具や手順はOKとなったものの、私がやるわけではないので、主役の福田君に道具の使い方、手順を指導しなければなりません。
 手順は福田君が、ダンス・芝居・台本のたたき台作り(後日会長の手直し、書き直しあり)と、大変な重圧がかかっていること、本人のマジック歴等を考慮して、できるだけ無理なくできる様な手順構成にしたつもりなのですが、それでも練習不要というわけにもいかず、そのシーンに合った演技、福田君らしさも表現できる様な演技にするため、時間があれば練習をしました。本番直前一週間は、ほぼ毎日練習に立ち会いました。
 無論本人はダンス・芝居とマジック以外の練習もしていましたよ。 会場での実演は、当日が初めて。道具の搬入、リハーサル、本番(一回きり)、撤収が一日で行われるという強行スケジュール。 個人的に不安もありましたが,とにかく約2時間の本番が終了しました。
 やはり本番中マジックに関していろいろなアクシデントが発生したのですが、各々のシーンでお客さんの拍手、笑い声、歓声が聞こえ、嬉しい気持ちと同時にほっとしました。
 帰りがけにいただくお客さんの感想は、「あそこが良かった、ここが良かった」というのではなく、皆口々に「面白かったよ、楽しませていただきました」というものでした。
 何の関連もないと思われる全18景が全て終了した時に一つのショーが完結している。そしてお客さんの拍手、歓声、笑いも含めて計算された台本、構成、演出によって作られたショーである事を改めて感じました。
 それを演じた主役の福田君はもとより、出演者を含めたスタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。 私もその一人として,大変楽しませていただきました。
隅谷治子(会計・事務・天使役)
 顔田顔彦ライブにダンサーとして、出演させていただきました。今回の振り付けは、ドルフィン・マジックカンパニーの五十嵐ひとみさん!!ひとみさんは、昨年の「ぺるライブ」からパッションローズに参加してくださり、その時から、私たちの面倒をみてくださっています。
 ひとみさんの存在たるや、パッションローズにとっては、ハリウッドの大女優が来日したくらいの大きな財産であり、ひとみさん一人がいることによって、パッションの株が上がり、メンバー全員分以上の魅力を発揮してくれます!!
 そのひとみさんが、今回は顔田ライブのマドンナ役!! わお!! すごーーーい? ひとみさんと一緒に踊るなんて、しかも、美佳ちゃんと3人で、、、どうしよう。。。
 踊りの技術よりも何よりも、まっさきに考えたのは「みた目」。 ひとみさんはスタイルいいし、美佳ちゃんはスリムになって、二人とも背は高いし、、、私は??
 背ちっさいし、3頭身のちんちくりんだし、おなかに肉もついてるし、、キャー(涙)キャンディーズでいえば、スーちゃん、映画「ドリームガールズ」でいえば、ジェニファー・ハドソン?!3人トリオには、必ず一人、太っている人がいるけど、今回はまさに、それが私。やばい、痩せなくては、大きく踊らなくては、、。
 と同時に、ひとみさんの振りは、ダンスの巨匠フォッシー風のアレンジで、かっこいい!!、、けど難しーーい、、、(汗)美佳ちゃんは、スポーツジムで狂ったように練習している、、私も頑張らなくては!
 なかなかリハーサルの時間がとれないまま、焦りだけがつのるなか、本番直前に救いの手が舞い降りてきた。
 会場での1回こっきりのゲネプロが終わったあと、会長が楽屋に来てくださり、一言「手を伸ばすとき、思いっきり伸ばそうとするだけで、見た目が全然ちがうよ」とアドバイスをくださいました。そうか、、そういう気持ちで踊っていれば、ちんちくりんじゃなくなるんだ、やったー神の声!!
 思い起こせば、「プリあらA会員の福田徳彦さんの単独ライブをやる」と小耳にはさんだとき、同時に「なんで福田さんなんだろう???」という、疑問符が頭の中にいくつも浮かびました。
 でも、会長は誰にもできないことをやるエキスパートであり、むしろ誰にもできないことしか、やらない。結果、顔田顔彦ライブにより、顔ちゃんが大スターになった。大盛況!! もっと見たい!! とたくさんの声があがった。
 顔ちゃんは、最初、ダンス、、できるって言ってたのに、できない、、、マジック、、いい加減、、チケットのことも「大丈夫ッすよ」というけど、なかなか減らない、、、。
 でも、そんな顔ちゃんがどんどん変わっていった。まわりのみんなが顔ちゃんのために、全力で頑張っていることを感じてくれていった。最後は仲間として、顔ちゃんが大好きになっていった。
 当日仕込みの1回公演、怒濤のラストスパートをきりぬけ、ライブが大成功に終わった。
 顔ちゃんの涙をみたとき、、、仲間っていいな、良いものを創り上げるって素晴らしいな〜と、ジーンときました。
 この感動を、人生のなかで味わうことのできる人は、ほんとに数少ないとおもいます。その中の一人でいられることに、とても感謝しています。
堀 友成(制作補佐・村人モキチほか)
 顔田顔彦こと福田さんとは、去年のぺるライブでスタッフをやり、クリスマスではサンタとトナカイのコンビを組みました。今回のライブも、前に福田さんから、ちょこっと出演してもらうような話を聞いていたので、まぁ、セリフがなければいいかなと思っていました。
 台本が出来あがってくるうちに出番が思ったよりあり、またセリフもあってビックリ!!それも島原の乱の最後の一言の「死んどるぞ」がセリフを言う度にニュアンスが違って、とても難しい。寝ても覚めても頭の中で「死んどるぞ」がぐるぐる回ってました。
 本番前の1週間は、深夜遅くまで福田さんのマンションにある集会所でマジック特訓。特訓では、山田さんのマジック指導のもと福田さんが今まで見たことのない姿で頑張ってました。私は、その傍らで佐々木さんと道具のだし捌けなどの段取りをしてましたが、場面が18景もあるので、なかなかまとまりませんでした。
 が、山田さんがパソコンで出演者とシーンの一覧表を作ってくれたことでパッと見て誰がどこであいているかがわかり、出し捌けの段取りがスムーズになりました。
 いざ、本番が始まるとあっという間に終わってしまった感じでした。
 終わった後、自分と佐々木さんとで階段で、見せてはいけないものを隠しながらお客さんを見送っていましたが。皆さん笑顔で「面白かったよ」と言葉をかけてくれ、涙が出そうになりました。
 最後に、お客さんから声をかけてもらうことなどサラリーマン生活ではほとんどない中、昨年に引き続き今年も経験させていただき、荒木会長に感謝するとともに、今後もお手伝いをさせてください。よろしくお願いします。
佐々木由喜雄(制作)
 堀さんの気配り、行動力には今回も脱帽だった。衣装、小道具など必要な物を必ず見つけてくれ、大道具の搬送には率先して真夜中に動き、稽古や打合せで深夜から明け方になる時には私や顔ちゃんのお抱え運転手のようだった。
 そして運転しながら何かつぶやくようになっていた。「死んどるぞ・・」
 7/4(日) ライブ本番当日。昨夜の稽古終わりの雨が嘘のような快晴の朝が来た。
 下北沢空間リバティの前に、堀さん号と山田さん号が到着。堀さんは今朝5時起きですが、山田さんは、と聞きかけて言葉を呑み込んだ。山田さんは昨夜の雨の中、大幅手直しの為に島原の乱の道具を持ち帰っていた。一昨日も徹夜だったから二晩続けて寝てないのかもしれなかった。
 「徹夜ですか?」「え、まぁ・・」と言ってちょっと眩しそうに空を見上げた。
 昨日までの無精髭をきれいに剃った爽やかな山田さんの横顔を見た瞬間、何故かウッと涙が溢れた。一斉に搬入、仕込みが始まった。ドタバタの中、何とか15:30からゲネプロ。全員高揚した気分のまま客入れ。超満員。何と会長自ら会場整理をしてくださった。申し訳ないと思いながらも大感激。
 そして本番スタート。理恵ちゃん手作りの、ブルーを基調としたラメ入りのゴージャスな幕の裏にスタンバイ。
 あの、世界は二人のために、でポンチョとソンブレロで舞台に出る。満席のお客様の顔、顔、顔、オジさんコーラス隊の興奮は最高潮。怒涛のライブはその後、成功と失敗を織り交ぜながらアッという間に2時間を走り抜けた。
 私はいくつもの重大なミスをしてしまった。自分では気持ちを切り替えて頑張っていたつもりだったのだが。
 舞台裏で衣装替えをしている時、重要な脇役を一手に引き受けて超忙しい筈の松本勝さんが、私の背中をポンと叩いて言った。「お客さん荒れてへんから大丈夫ッス。気にせんでいいッスヨ」。ブワッと涙が溢れ出た。不思議な気持ちだった。
 顔ちゃんのプロ根性も凄かった。文字通り滝のような汗を流しながら、山田惠美子さんの適確なフォローの元、8変化を見事に演じ切った。特にダンスのシーンは五十嵐ひとみさんという素晴らしいパートナーに恵まれて夢のようなシーンになった。
五十嵐ひとみ(運命の女役 & 振付)
 顔田LIVEに出演された皆様、制作スタッフの皆様、裏で活躍して下さった皆様、そして・・・素晴らしい構成、演出をされた荒木一郎さま、本当にありがとうございました。
 私は今回、初めて振付をさせていただきました。ハルちゃんから依頼の電話をうけた時は、あまり深く考えず、なんとなーくOKしてしまいましたが・・(笑)
 よく考えてみると、昨年のぺるLIVE、Xmasが久々のダンス出演で、その次がいきなり振付!? 大丈夫か、私??・・という感じでしたが。
 いざやり始めると、全く振りが思い浮かばなかったり(笑)まぁ色々ありますが・・・一番の心配事は、2人の子ども達を連れてのレッスンというのが、私にはストレスだったように思います。みんなに迷惑がかかる、自分自身が集中できないとか・・・
 でもありがたいことに、パッションのハルちゃんや美佳さんは積極的に自主練をしてくれてiPhoneで動画を撮っては次回までに振りを覚えて・・・という感じで、短い時間の中でほんとによく頑張ってくれました。
 ただ、私もダンサーで出たことで、ちゃんと細かい部分まで、ダンスを見てあげられなかったこと、ニュアンスを伝え切れてなかったことが少し心残りかな。
 いつも、適当でぶっきらぼうでごめんね。私にとって何よりも嬉しかったことは、このLIVEを通して2人と凄く仲良くなれたこと。この場を借りて・・ハルちゃん、美佳りん、ありがとう。 また、再演もよろしくね!
 次は顔ちゃん(笑)←主役なのに。
 考えただけで、何故か、にやけてくる私ですが・・・顔ちゃんとのダンスマジックの景、私にとって不安でもあり、チャレンジでした。一番最初に振付をスタートしたにも関わらず、先に進まないこと、進まないこと・・(笑)マジックもほんとに上手くいくのかなぁ・・と不安がいっぱい。
 でも、この景で学んだことは数知れず。一郎さまから、マジックもダンスも、難しいテクニックを見せたり、完ぺきなダンスを踊ることが素晴らしいのではなく、2人の素敵さ、魅力をステージ上に見せられるかが大事・・・ということをアドバイス頂きました。
 「ダンスの相手が超踊れるダンサーだったからって、こんなに面白い景にはならないよ。福田だから、いいんだ!」と一郎さま。
 その時は、ただただ、話が可笑しくて大笑いして聞いてましたが・・・それに気づいたら、ウソみたいに顔ちゃんと踊ることが楽しく、顔ちゃんの独特のクセも雰囲気も受け入れられ、顔ちゃんの個性をもっと引き出してあげたいなぁ・・と激変している自分にビックリしました!(笑)あははは。
 回想シーンの顔ちゃんは、ほんとにカッコよくて、ホレる程でした?
 顔田LIVEのダンスシーンはどれも、お芝居の中の添え物ではなく、つなぎでもなく、全体の中の、ひとつのドラマとして作られていて・・・踊っている自分はもちろん、観ているお客さまも、きっと面白かったに違いない!って、感じます。
 そんな素晴らしい作品を創って下さった、一郎さまには、ほんと〜うに感謝しています。
 ダンスの選曲から始まって・・・物事の考え方、ひとつひとつモノを創り上げていく姿を垣間見させて頂き、楽しくって貴重な経験でした。
 これからの私にとって、舞台だけじゃなく、人生を楽しく生きるヒントにもなっています!次のLIVE、Xmas、そして、顔田LIVE再演がますます楽しみです!これからも、どうぞよろしくお願いします。
 最後になってしまいましたが、この場を借りて、伝えたいメッセージがあります。
 いつも素敵に写真を撮って下さり、お料理もケーキも超・美味しいりえさん、ありがとうございます。
 ハーディズナイトの椅子を何度も探して連絡くれた、佐々木さん&ホーリーありがとね。
 山田さん、ダンスマジックの景で色んなアドバイスをありがとうございます。顔ちゃんに変わって、お礼が言いたいデス!
 恵美子さん、ステージ裏でせっせと衣装を準備、片付けしている姿に感動しました。
 このLIVEには直接、関わっていないけど、いつも私の相談にのってくれて、衣装のリメイクまでして下さったドルフィンのるいさん、ありがとう。
 ・・・まだまだ、書き切れないくらいエピソードがたくさんありますが、このLIVEに関わったみなさん、ひとりひとりに感謝をしたいと思います。本当にありがとうございました。
 来年の再演も、どうぞよろしくです!
タジマジック(裏通りの奇術師:タジマジロ役)
 顔田顔彦ライブお疲れ様でした。何を書いて良いか書きたい事が山ほどあります。最初に台本もらった時、合同練習、当日リハーサル、衣装やネタ、本番でのハプニング、打ち上げ本当にいろいろありました。
 でも、どうしても一つだけ日記に書かせていただきたいことは、荒木会長プロデュースに出演させていただいたことです。
 なんと会長とアイスタジオ、梅ヶ丘パークホール以外のいろいろな場所で、会いました。地下の刑務所みたいな場所での稽古は神経質な私にとってものすごく辛かったですが、会長が手を握ってくれたとたん不安が、なおりました。やはり会長は、宇宙人だと実感しました。
 本番は魔物が住んでるといいますが、本当に失敗するわけないとこで失敗したり、ネタが壊れたり、でもそれでも、見に来たお客様は全然わからなかったと言ってました。それも、全ての台本や台詞を作ってくださったのが会長だからだと思います。
 プリあら専属マジシャンになって4年、本当に会長について来て良かったと思います。再演ライブもタジマジロで頑張ります。よろしくお願いいたします。タジマジロ。
わか葉(かまもと役)
 アメリカ独立記念日の7月4日。福田さんこと、顔田顔彦さんの初ライブがありました。荒木一郎会長プロデュースで、タジマジック師匠と私も出演させていただきました。
 なぜ、出演させていただける事になったかと言うと、福田さんが会長に頼んで下さったようです。最初は師匠を。OKが出たら私もと。
 ほんのちょっぴりの出演かと思っていたら、台本を頂いてびっくり。A4の紙に4枚びっしり。ところが、それが1場面分で、全部で3場面あるとの事。顔田さんのストーリーとは別で、落ちぶれたマジシャン「タジマジロ」とカマトトの花売り娘「かまもと」との出会いから、師匠と弟子になるまでを描いたものでした。
 師匠も私も台詞を覚えることなんてなかったので必死でした。移動中の車の中で、台詞を練習。マジックバーのステージで開店前に立ち稽古。
 会長の書いて下さった台詞の言い回しが、まるでアドリブのような面白さがあるので、それを損なわないように、真剣に覚えて、何度も何度も練習しました。
 台詞は覚えたけれど、実際の稽古になると、会長から「田島は良いけど、わか葉が足引っ張ってるよ。かまととなんだから、気取らないでやってみなよ」と言われるも、なかなかイメージが湧かず・・。すると、「上を向いて大きな声で台詞を言ってごらん」と、会長。その通りにすると、自然とカマトトキャラが出来上がり。
 会長のアドバイスは、具体的で、おっしゃるとおりにやると、自分でも上手になった気がしてくるから不思議です。
 当日は、会場のある下北沢は地元だったので、両親と娘たちも招待しました。他のお客様も知った顔が多かったので、緊張はしていないつもりでしたが、台詞がとんだところをみると、やっぱり緊張していたみたいです。
 最初の場面で、出てくるはずの「おじさん(佐々木さん)」が、なかなか来なくて、ステージを3周もしちゃいました(笑) ああいう時、プロの俳優さんや芸人さんは、アドリブ入れられるんだろうな。マジックショーなら、アドリブ入れられたけど、今回は違うので、全く余裕なしでした。
 ご一緒させていただいたプロの俳優さん、もちろん顔田顔彦さんと松本勝さん。ドルフィンマジックカンパニーの五十嵐ひとみさん。ジャグリングのムーラさん。この方々との共演は、とても勉強になりました。うまく言えませんが、やっぱりプロなんですよね。凄く刺激になりました。
 むっしゅさんも素敵でした。英語が話せるって、本当だったんだ?うちの娘達は「お札のマジックが一番不思議だった」と言っていました。
 むっしゅさんは、急遽、前日にタジマジロ&かまもとのお客様役にも抜擢でしたが、とても落ち着いて演じて下さいました。
 プリあらスタッフの皆さん、特に佐々木さん、山田さん、Horiさん、リー君、芝原さんは、全部の場面の道具の出し入れ、セッティング、そして、演技もセリフも・・。よく、頭が混乱しないなと感心してしまいました。私は演じるだけで、スタッフの皆さんが全てセッティングしてくれたので、本当に皆さんに感謝です。
 他にも、幕の開閉、照明、音響、道具づくり、メイクに衣装、当日の受付、会場整理・・。全てがスタッフの皆さんの協力のもとに出来たライブでした。主役である顔田顔彦さん、本当に一生懸命頑張っていて、それが伝わるので、私も頑張ってライブを成功させなくちゃと気合いが入りました。
 荒木一郎会長プロデュースのライブに出演させていただけた事、とても勉強になり、本当に良い経験をさせていただきました。これを生かし、今後も精進していきます。ご来場いただいた皆様、応援して下さった皆様、本当にありがとうございました。
佐々木由喜雄(制作)
 タジさんとわか葉ちゃんにも迷惑をかけてしまったのに、お二人はほのぼのと楽しい不思議なシーンを創り上げ、会長から合格点を頂いた。
 むっしゅさんのチャーリーはバカウケだったし、会長から抜擢された中宿君と芝原さんも期待に応えて大活躍。
 工事現場のムーラさんは何の違和感もなく場面に溶け込み、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。
 今田さん製作の道具も切れがよかった。メイクの玲子ちゃんは私と山田さんとのスリリングなやりとりの時、一緒にハラハラしてくれた。
 音響の太郎さんの浮遊の音がギリギリ辻褄を合わせてくれた。上手の綱元ではかなえちゃんが、壁一面に何枚ものキューシートを貼り付けて奮闘していた。
 エンディングの幕が閉まった時、内側の舞台の上には輝く笑顔が溢れていた。主役も脇役も裏方もなかった。間違いなく全員が輝いていた。この中の誰かひとりでもいなかったらこのライブは存在しなかった。
 その時、遅まきながら感じた。荒木会長は最初から、全員が主役である事をご存知だったのだ!・・と。                                    
山田恵美子(舞台進行)
 今回、私は舞台裏で道具の整理をするだけだと思っていたのですが、主人に付いて練習に立ち会っているうちに、マジックの道具をシーンごとに分けて箱に入れたり・・全18景の衣装替えを手伝わなくてはと思わせたのは、顔田顔彦さんの性格?それともがんばっている姿を見たからか? たぶん両方かな。
 当日はゲネプロと本番だ。
 朝から道具の搬入、会場作りと時間はどんどん過ぎて行く中、舞台裏に顔田顔彦さんが使うマジックの道具と衣装をシーンの順番に用意してゲネプロの準備をした。始まる前まで間違えないようにとドキドキしていた。
 ゲネプロも本番も、舞台裏で次はこの衣装と道具、進行表を見ながら何度も確認!汗だくになりながら動きまわった。
 終わってみると大変だったことより、なぜか楽しいという気持ちでいっぱいだった。撤収作業のなか顔田顔彦さんと握手をした。お互いにグッとこみあげてくるものがあった。
 チーム荒木に参加できたことに感謝し、私も少しずつ成長したい。
久住辰雄(照明助手)
 今回のライブでは、照明の加納さんの助手として参加させていただきました。公演当日の通し稽古で、初めて加納さんの照明演出のなかでみるお芝居は、公民館での練習の何倍も美しく、まるで別物のようでした。
 練習でうまくいっていたところが本番でうまくいかず、とても残念なところもありましたが、それを上回る熱気と楽しさがあって、充実した気持ちを持つ事が出来ました。
 みんなの、お芝居や踊りがグングン美味くなっていく場面を近くで見る事が、自分にとってとても刺激になりました。
 この公演に、少しだけですが参加できて本当に良かったと思っています。
 声をかけていただいた、佐々木さん、荒木会長、参加メンバーのみなさん、ありがとうございました!
ムーラ(土方の兄貴分・ムラ役)
 顔田顔彦ライブ出演させていただきまして、ありがとうございました。
 感想の前に、顔田さんとの出会いから話させていただきます。
 顔田さんとの出会いは、ジン工房さんに誘われて行った大学のマジックサークルの発表会でした。普段は行かないような公演ですが、その時はなぜか素直に行きました。
 当日、私は仕事帰りに行ったため、最後の演目しか観れませんでしたが、すばらしい公演でした。帰り際、ジン工房さんと顔田さんで食事をし、お近づきになりました(気さくな人という印象)。
 それから1ヶ月もたたないうちにライブ公演のお話。こういうトントン拍子に決まって行く流れは好きなので、苦手なセリフのある役でしたが、受けさせていただきました。
 最初はどんな人達と演技をするのか不安でした。プロのすごい役者が一緒だったらどうしよう。しかし、そんな思いはすぐ消えました。なぜなら、気さくなプロの役者2人以外、役者としては私と同じ素人。小心な私にとって、それが良かったのです。
 でも皆さんが、ほど良い緊張の中で楽しそうに稽古をしている姿を観て、私も頑張らねば!とおもい、パントマイムの先生に発声から役作りまで習いました。
 本番は、私自身が段取りを間違えるという事件もありましたが、皆さんのフォローで無事乗り切ることが出来ました。
 今回の公演を終え、思う事を一言で表すなら「出会い」でした。沢山の出会いを頂き、苦手な「舞台役者」にチャレンジさせてもらいました。私にとって沢山の収穫でした。
 そしてこれを企画された荒木一郎会長は「出会わせ屋?」「人を活かすことの出来る方なんだなあ」と思いました。ただプロのみを集めてやるという考え方ではなく、ただ周りにいる人達を活かす。人を活かすには器が必要なのでしょうが、私には、まだまだ高い位置です。
 今回少ない稽古にも関わらず、あれだけの公演が出来たのはすごいことですが、あと一ヶ月集中して稽古が出来たら、さらにすばらしいものになっていたのでは?と悔やまれます。構成がしっかりしていた分そう思います。
 次回の再演にまたお力に慣れたら幸いです。皆様ありがとうございました。
ジン工房(マジック道具製作協力/工事現場のイリュージョン)
<福ちゃんとの出会い>
 西葛西にあったマジックバーで、とても元気で自信満々な態度で喋っている男性がいた。テーブルマジックをしてたけど、とても雑な演技だった。でも、水の入ったグラスが出現したりと、マジックはそれなりに良かった。
 その時は、軽く話をしただけ。これが、彼との出会いだ。その後、プリあらの例会で数回遭遇したが、会話は無し。
 ある日の例会で、ビジターマジシャンのKさんがお札を使ったマジックをした。終了後、アフターに参加するため会長宅へ向かうべく歩いていたら『ジン工房さん』と、福ちゃんから呼びかけられた。
『あの紙幣、ジン工房さんが作ったんですよね。あれ凄いですよね。いくらですか?』
『千円ですよ』と返答。すると『あれ、千円じゃ安いですよ。あれは凄い』と誉めてくれた。
『今ありますか?』
『残念ながら持ってないですけど作りますよ。では、お買い上げありがとうございます』と、返事をしたら無口になった。
『おい。買わないのか?』とは口に出さなかったが、『なんて調子の良い人なんだ』と呆れた。
 その後、月に一度の会長宅お食事会では何度も同席したけど、距離、親密度は一切縮むことは無かった。こちらからアプローチしても、訪問販売を断る主婦みたいな対応だった。それどころか、常に敬語。
 友人の少ない私としては、歳も近いので親しい関係になりたい、と思っていたが、彼の壁は高く厚かった。
 ぺるライブをお手伝いした時に、彼のマンションの会議室で合同練習をした結果、少しづつだが普通に会話が出来るようになった。ただし、常に彼は敬語だった。
 いつだかの、お食事会の時、あるプロマジシャンの依頼でレーザーイリュージョンを作った話をした。それを覚えていたのだろう、忘れた頃になって、『今度、ライブをすることになったからレーザーイリュージョンを作ってもらいたい』と、依頼された。
 『あれは○万だよ。』と伝えたが、軽く『払うから作って』と言われた。
 でも、私は本気にしなかった。どうせ、また調子の良い事言ってるだけだろうと・・だから、作ることもしなかった。
 でも、時間が経つに連れて、彼の本気で作ってもらいたがってる気持ちが伝わって来たので、『支払いの方は大丈夫なの?』と思いつつも、材料の買出しなど準備に取りかかった。
 来宅してもらい、彼の体に合わせて材料を切り出したり曲げたりの加工をしたこともあったし、逆に来訪して作業を進めたこともあった。
 お陰で、だんだん彼も心の扉を開けてくれ、敬語ではなく普通に会話をする関係になった。
 聞けば、彼が200日位早く産まれていただけで、ほぼ同学年の世代だった。彼はどう思っているか分からないが、私は、同い年の友達が出来て嬉しかった。
 レーザーイリュージョンが出来て、肝心の演技だが、彼に余裕が無いため(元々雑な性格だからか?)足の向きが変だったり、姿勢が悪くて切断されたように見えなかったり、せせこましくアチコチ無神経に動くためにズボンの部分がガバガバになって外れたりと、見るに耐えない演技だった。
 最初は、彼の機嫌を損ねないように優しく気遣って演技の駄目出しをして、何とか私の理想とする演技をしてもらおうと努力したが、『分かった、分かった』と返事をするだけで、演技が良くなる事は無かった。
 まぁ、今回のライブでは、沢山のシーンを着せ替え人形の様に次々と、こなさなきゃならないのだから、細かいとこまで神経が行き渡らないのだろうと諦めていたが、せっかくオーダーメイドで作ったのだから少しでも不思議に演技してもらいたいと思い、彼の演技が上達するのを期待しつつ見守った。
 前日のリハーサルでも、全く駄目だった。明日は本番なのに、これではみっともない。その夜、床に就きながら考えているうちに閃いた。
 演者が出来ないなら、道具でカバーするしかない。どんな演者でも簡単に演技が出来る道具、仕掛けを施すしかない。
 どうすれば良いのかを考えた挙句、見事解決方法が浮かび即電話した。時間は深夜の2時か3時だったと思うが、彼はまだアイスタジオで作業をしていた。閃いたアイデアを彼に伝え、明日の本番当日、道具を改良する許可を貰った。
 翌朝、皆さんは早くから会場に集合して設営に勤しんでいたが、私は道具を買うのにアチコチお店を回っていたので、結果遅刻で会場に入った。
 早速、ギミックを預かって改良を開始。モデルが同じ空間にいるので、ある程度製作したら見せて意見を貰い、また作ってを繰り返して、順調に改良することが出来た。
 結果、一番の懸念事項であったズボンのガバガバと上着のガバガバが見事に解消された。俺って凄いじゃんって感じ(笑)直前のリハでも完璧だった。これで一安心。
<本番>
 なんと、上着がガバガバだ。お陰でギミックがこんにちはしている。
 後で彼に言うと『ガバガバだった?』との答え。舞台裏が暗くて、ちゃんと着れてなかったのが原因。ズボンは完璧だったが、幕の陰で行うべきギミックの解除をやらずに演技をしていて、結果、その作業をお客様の目の前でやっていた。
 後で聞いたら『解除するのをすっかり忘れていた』との事。まぁ、何度も書くが、独りで早着替えして全景やっているのだから、余裕も無く忘れてしまうのだろう。
<学んだこと>
 元々、演者の立場に立って物作りをするがモットーだが、実践で使える道具をより精密に作るためには、何度も演技を見て、その人の癖や性格を考慮して道具を作らなければ駄目なんだと、今回、反省した。
 その努力をして、初めて一般大衆にうけるヒット商品が産まれるのだ。しかし、そうした作品を作るためには、余程の演者との親密さが求められる。時間もかかる。結果、おのずと制作費もかかる。関係が難しいですね。
 そうそう、ダンスシーンのところで『米ドル札でファンカードをしたいから作って』と言われたので、リクエストに答えるべく、数種類サイズや数種類の紙質購入して試作品を作り、彼に選んで貰って希望通りに作った。
 このサイズと紙質で、いきなりファンは出来ないだろうと気を使って、まずは練習用に20枚ほど作って渡したら、とても喜んでくれた。が、合同練習の時に私の作った米ドル札を彼が手にすることは無かった。
 納品しようと思ったら、『あれ、忘れてた。それもう必要ない』と軽く言われた。『どういうこと?』と、尋ねたら『買い取るよ』と言われたので『別にいいよ』と、断った。
 リハーサルの時から、彼は日本円の諭吉でファンをしていたのだ。『壱万円札で演技することになったの?』って聞いたら『あれ、山田さんに作ってもらったんだよ』と、言われただけだった。
 結局、依頼されて作ったファン用米ドル札が日の目を見る事は無かった。
<制作費に関して>
 お札の制作費も貰うのを忘れていたが、レーザーイリュージョンも、一番最初に提示した金額を彼は忘れていたらしく、結果、材料費のみとなった。
 が、元々このライブを勉強という姿勢で受けていたので、期待もしてなかったし、全くショックは無かった。むしろ逆に、お金では買えない事を気づかせてもらったので、感謝しているし、良かったです。去年のぺるライブにしてもそうだけど、色々と学べ、成長させていただいています。
 福ちゃんは、「ジン工房さんに作ってもらいたいものが沢山あるんだよ」と、会う度ごとに、何度も何度も言ってたが、結局、レーザーイリュージョンだけだった。
 こんな感じの、適当な福ちゃんだけど、僕はフレンドリーに接することが出来る友人だと思っています。
 彼がどう思っているかは分かりませんが(笑)。
中上太郎(音響)
 シーンが20近くある舞台は全体を掴むのが非常に難しかったです。個々のシーンのリハーサルは充実していましたが、どうしても全体を通したリハーサルが前日と当日にしかできないという厳しいものでした。
 さすがに照明の加納さんはプロフェッショナルでしたが、暗幕と音響はなかなか感覚がつかめずにあたふたした気がします。
 本番が始まってしまえばおろおろしている暇もありません。本番はリハーサル通りにいかないと分かってはいるのですが、今回は大きなハプニングが2回ありました。
 一つは壷の浮遊。壷が浮く時の効果音ですが、セットが壊れ壷が浮くのかどうか分からなかったため、効果音を先に出すべきか... 舞台では主演の顔田君が浮遊のポーズをとっています。おそらく袖の山田さんと目で合図でもして、浮遊できるということだろうと思い、迷わず効果音を出しました。
 後で聞けば、合図も何も無しで顔田君の勝手な判断だったと聞いてびっくり! それでも壷は浮いていたことに更にびっくり!
 もう一つはムーラさんのメインパフォーマンス。準備が整ったらB.G.M.スタートですが、パフォーマンスを忘れてる... 2度3度と出演者がふりをしていてもムーラさんは気付かず...
 ここでB.G.M.先行で音を出せば気付いて元のレールに戻るかな?とボタンに指をかけて、押そうか...な...と思った時に、顔田君がパフォーマンスの道具を無理矢理ムーラさんに手渡してパフォーマンスへ突入。
 まさに核ミサイルのボタンに指を置いている感覚で、頭の中で考えた時間は、ほんの1,2秒だったのでしょうが1,2分も迷っていたように思えました。
 大きなトラブルが有っても、初めて見る方々にはトラブルに写らなかったのではないでしょうか。
 第一回目は最後まで続けられたと言うことに満足してしまいましたが、次回の公演はスタッフの連携プレーも上手くなり、もっと楽しく不思議なステージになると思います。それまでに色々とイメージを膨らませて、見ている人と同じように楽しみながら音響ができる事を目指そうと思います。
芝原俊光(介護老人役ほか)
 今回初めての舞台参加。佐々木さんから依頼を受けた当初は、仕事の休みの予定が未定だったためお断りしていたが、その後、都合よく公演日に休みが重なったため参加することになりました。
 また声をかけていただいたときは、介護老人の役で車イスにただ座ってるだけだから、特になにもしなくていいからって言われていたのでわりと気楽にお受けしました。
 ところが、実際はマジックのネタを口に含んだり、老人らしい演技も求められることに^_^;
 自分自身口の中になにか物を含んでいることが苦手で、かつ口腔内がかなり小さいためなにかと苦労しました。
 老人役については、老人らしく見せなければならないとのことで、ふと漫画の「ガラスの仮面」のシーンで北島マヤ(主人公)が人形の役を演じるために手足の関節を木々で固定し、人形役になりきるというのをおもいだしつつ、自分なり頑張ってみました。
 当日は、特に緊張することなく楽しめました。自分一人ではこのような貴重な体験をすることはないので、参加してよかったです。
斉藤恵美(お弁当&ビデオ撮影)
 荒木会長プロディースによる『ぺるライブ』に引き続き、『顔田顔彦ライブ』!!
 私は顔田顔彦こと、福田くんのことはプリンあらモードマジッククラブの会員で、どっかの劇団に所属している役者さんぐらいにしか認識しておらず、マジックをしているところはほとんど見たことがありません。ライブって何するのかなぁ???と全然ピンときませんでした。
 でも荒木会長プロディースなんだから、きっとスゴくなるんだろう!!ってな感じから始まりました。
 まずは荒木会長がデザインされたチラシにビックリ!!「I WANT YOU お前が欲しいんや」とインパクト抜群のデザインで何にもわからないけど、絶対見たいと思ってしまうチラシでした。「唄あり謎あり、ダンスあり。恋と夢とが交差して、やがては殺人事件へと発展して行く前代未聞のマジックショー」「全十八景」というフレーズに心ワクワクで一体何が起こるの??!と興味津々。
 でもその時はまだ十八景に決まっていたわけではなく、会長の感覚でそのぐらいだろうと思ったということを後から聞いたのです。見事に十八景になっていたのにやっぱり、天才の感性ってスゴいと感じました。
 天才の感性といえば、チラシの裏の福田くんの写真は会長が数枚撮った写真の1枚で「これ、福田くんなの??」と誰もが、そして本人が思ってしまうぐらいにカッコイイ。衣装その他、本人のものではなくサイズが全然あってないにも関わらず、お見事と思ってしまうほどにイイ男ぶりな写真なのです。
 本人いわく写真の切れ目にすぐ足があるそうですがそうとは見えずまだまだ足が続いてように見えます(笑)
 リハーサルや本番でお弁当の用意や雑用をやらせていただきました。買って来た食べ物ばかりでは味気ないなぁ、と思い、そうだ!おにぎり作ろう!と、人数計算したら50個のおにぎりが必要な計算になる。
 さて何合のご飯を炊いたらよいのか??考えただけで頭がウニ状態になってきた。
 取りあえず10合炊き、握り始めたら50個までは足りなーいことがわかり更に10合炊き始めて全部で60個以上のおにぎりを作りました。みんなにおいしいと言っていただけてとてもうれしかったです。私のレパートリーに50個のおにぎりが追加されました。
 こんなことしか出来ない私を荒木会長のイベントに参加させてもらい、人それぞれの可能性や光輝く場面をみさせていただきました。
 初めのころの福田くんは出来ないことがあってもまるで合い言葉のように「役者20年やってますから!」って言うのです。でも出来ないじゃ〜ん!!ってな感じがありました。
 が、練習を重ねて行くうちに福田くんの態度が変わってきました。私がリハーサル中にただお茶を入れただけなのに、丁寧に「ありがとうございます」って返ってきました。見ているとみんなに対して感謝の気持ちで接しているのがわかりました。
 本番での『顔田顔彦ライブ』は、まさにチラシに書かれていた内容そのもので「福田くんってこんなにいろんなことが出来ちゃう人なんだー」と思ってしまうほど、福田くんの持っている良さが伝わってきました。荒木会長の天才的演出&脚本その他いろいろ見させていただきました。ありがとうございます。
 そして再演もどんなことでもやりますので、またなにとぞよろしくお願い申し上げます☆ ありがとうございました&お疲れ様でした!
むっしゅ佐久間(チャーリー役ほか)
 顔田ライブに気合を入れて稽古をしたので、こうして終わってしまうと、ちょっとしたバーンアウト状態になりました。
  頭がボーっとしてマジックをやる気が起きません(笑)ワールドカップを終えた選手たちも普通の選手生活に戻るのは少し時間がかかるのでしょう。同じレベルで比べたら申し訳ないですが、私にとって今度のライブは何もかも始めての経験だったので、脱力感もひとしおです。
 さて今回の顔田ライブ の反省と感想です。
 チャーリーという英語しか話さないインチキ情報屋の詐欺師という、荒木会長に言わせれば私にそのままの役どころだそうです。役作りがいらないので楽でした。
 しかし2か月余りの期間、マジックの練習、翻訳、本読み稽古、立ち稽古、総合練習、リハーサル、と、初めてなことばかりでとても面白かったです。
 プロ俳優の松本様からは、いろいろ学ぶことが多かったです。ダンサーのひとみ様のプロ根性を目の当たりにしたのも衝撃でした。ジャグラーのムーラ様とお友達になれたのは大変うれしかったです。
 徐々に作り上げて行く中で仲間意識が芽生え、みんなが一体になって行くところが、ああ!舞台の醍醐味なんだなと深く認識いたしました。
 今回はいろいろ大切なことを学ばせていただいて大変勉強になりました。役の上では、一番大事なところではずしちゃったのが最大の反省点です。再演のときには絶対成功させたいです。参加者の皆様、お客様、そして荒木会長には大感謝です。 
中宿雄典(死体と通行人役ほか)
 まず僕はこの話を佐々木さんから聞いてビックリしました。なぜなら以前行われたぺるちゃんのライブを見ていて、僕も参加出来たらいいのになぁーと思ってた時にお誘いが来たからです。嬉しくてすぐにスケジュールを確認し参加する事に決めました。
 抜き稽古では笑顔が絶えない稽古でした。荒木会長が来られて通し稽古をした時に、いろいろと荒木会長から直接教えて頂けたので、凄く勉強になりました。
 山田さんは小道具のほとんどを手作りで作りあげていたので凄いと思います。その中で好きな小道具が棺桶です。家に置いて置きたくなる完成度で常に欲しいなぁーってつぶやいてました。
 あと驚いたのが会長は休憩もとらないで演出をしていました。周りの人が休憩をとっていても、会長は休憩しないで予定の時間まで稽古に費やしていました。なのに稽古の雰囲気は良く、笑いが起こる場面や自然と拍手が起きたりと、稽古でも本番を見ている気になっちゃうほど一人一人の思いが伝わる稽古でした。
 いよいよ本番、、ドキドキ。お客様が入り空いている席がみるみる埋まって行きました。
  僕の好きなマジシャンのなか。たつやさんが来ていたので、さらにドキドキが高まり、緊張がピークになると同時にナレーションとともに始まるオープニング。
 鮮やかな照明や音楽、そして衣装を纏った顔田顔彦さんが登場する。歓声や拍手が聞こえて来る。爆笑の笑い声、舞台は感動という二文字で幕が閉まる。
 最後に誘って頂いた佐々木さん、いろいろ支えて頂いた皆様、僕を選んで頂いた荒木会長、本当にありがとうございます。
 一人一人が自分の与えられた任務を頑張る事で、この舞台が成り立ってることを知りました。お金では買えない、形には無い物を体で感じることが出来ました。ありがとうございます。
比見かなえ(劇場の幕担当)
 貴重な体験をさせて頂きました。初めて、ライブの進行の一部である舞台の幕の担当をさせて頂きました。ライブに向けてかなり練習をそれぞれの方々がされてる中で、私はなんと、本番一週間前から、スタッフの仲間に入れて頂けて、うれしくてうれしくて舞い上がっていました。
 ところが、よく考えてみると、幕といっても自分の生きている中で経験したことがない、幕に対して意識を全くもったことがありませんでした。こんな私で大丈夫なんだろうか、、どんどん不安になりました。
 幕を閉めるのは自動なのか?手動なのか?閉まるまで何秒かかるのか、、
 不安の中、当日まで幕に触ることができないと知りました。通し稽古の時、荒木会長から実際に布を持って幕になってやってごらん、と教えてもらいました。
 皆の演じる前で、自分が幕になった瞬間、少しなんですが舞台を体感しました。相手を感じることの苦手な私でしたので、荒木会長から相手とダンスを踊る感覚なんだよと教えていただきました。
 本番をむかえ、リハーサル中、幕のタイミングがなかなかつかめず何度もやり直しになりました。そんな私に荒木会長は、相手を感じること、相手を見ないとわからない、幕の閉め方、開け方は、相手に合わせることなんだと教えて頂きました。
 そして最後に全てが終わる幕の閉めかたを教えて頂きました。最後の幕が閉まったとき、エンディングの曲が、ほんの少し残る方がイイ、そうなんだ!早速、音響担当の太郎君にエンディングの曲を何度も聞かせてもらいました。
 ライブ最後にメンバー紹介があり、そのあと福田さんの最後の挨拶、そして幕。本番、メンバー紹介が終わり、いよいよ最後の福田さんの挨拶、ここから残り30秒。曲のタイミングからストップウォッチを押し、そのときを待ちました。
 マズイ、残りの秒数がたりない
 10、9、8、、と迫ってくるなかまだ挨拶が終わらない、、、
 結果、曲が終わってしまった中、幕を閉めることになった。
 できなかった、、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。私自身頭の中ができなかったことでいっぱいになってしまった。ライブが終わったあと、自分の間違った姿勢でいることにまたもや荒木会長に気づかされました。
 私自身が、どんなに失敗していてもその事以上にライブのスゴさが溢れていました。ライブを観にきていた人達の反応が物凄く感動に満ちていました。次から次に感動している姿が目に入った。自分が大事なところで失敗しているのに、私自身が、どんなに失敗していてもその事以上にライブのスゴさが溢れていました。
 沢山のマジシャンの方がライブを観にきていて、帰り際にスゴかった。感動したと話をしていました。家に帰ったあとも、そして次の日も沢山のメールを頂きました。
 ライブを通して自分に欠けているものを沢山学せて頂きました。家に帰り、本番でできなかったこと、もう一度練習もしてみました。ものすごい情熱で作られたライブにスタッフとして入れて頂きありがとうございました。
今村美佳(天使役)
 この顔田顔彦ライブを終えての感想を一言で言えば、「ハンディキャップを負っていて良かった」という事です。
 このライブにダンシングチーム・パッションローズから参加したのは、治ちゃんと私の2名だけでした。3月末に治ちゃんからパッションローズメンバー全員に
 『7/4に荒木会長プロデュースで顔田顔彦さんのライブをやります。ひとみさんがマドンナ役で出演するんですが、サポートで大人2人、「踊り込みの出来るやる気のある人を希望します」と言われてるんだけど、挑戦してみませんか?やりたい人がいたら返事を下さい。』
 と、メールが一斉配信されました。私は即座に「やりたいです!!!やる気満々です!」と返信をしました。これが始まりでした。
 私達が踊るのは2つ。天国の景での天使としてのダンス。ダンサー3人のダンサーとして踊る『Sing,Sing,Sing』。
 私はこのベニー・グッドマンの名曲で踊れるのが嬉しくてたまりませんでした。数年前に荒木会長宅のホームシアターで観たボブ・フォッシーのショーのラストを飾っていたのがこの曲で、とても憧れていたのです。
 リハーサルは4月中旬から行われました。他のライブのリハーサルもあったので、週に1回のペースで時間も1時間限定という集中力の必要なリハーサルでした。とてもその場だけでは踊れる様にはなりませんし、早く曲に合わせて踊れる様になりたい一心で気が狂った様に自主練に励みました。
 それから2ヶ月。本番を2週間後に控えた6/20(日)に初めて会長を交えたダンスのリハーサルが行われました。そこで会長から「一人、麻薬の中毒患者がいる」と言われてしまったのです。顔の表情が最悪だったのです。しかも、「美佳は振り付けを覚えていないの?!」とまで言われてしまう始末。「あんなに頑張って練習して来たのに・・」と。
 顔が強張ってしまい、頭の中は色んな言い訳で一杯になりました。「本番同様の衣装(アクセサリーや髪飾り、手袋等をつけた状態)で踊るのにまだ慣れていなかったし、ちょうど私が踊る正面に来るスタッフの方があまり笑ってくれる人じゃなかったし、右足首の亜脱臼もまだ完治していないし・・」と。
 リハーサル後に、プロデューサーの会長にその言い訳を一生懸命していました。ですが、会長からは「今回に限らず、前々からだよ」と言われて、更にショック!どうしても納得できない私は、その夜、会長に電話までしてしまいました。
 会長はご多忙にもかかわらず、私が分かるまで1時間もお話をして下さいました。終わりの方で私は「克服出来ない人には言わないんだ!出来ると思っているから、あえて言ってくれてるんだ!」という前向きな気持ちになっていました。
 それから毎日、仕事中も鏡を見て表情の研究をしたり、手先指先に気を配る様に表情にも神経を働かせながら踊ってみたりしました。
 自分なりに工夫して迎えた一週間後の通し稽古時には、荒木会長から「表情良くなったよ!ダンスの振り付けの様に、顔にも意識を持つんだ!」と更にアドバイスを頂きました。
 顔の表情を考える事で、逆に手の動きに表情をつけることが出来る様になったり、曲目によって表情を変えてみたりしました。「もっと工夫できる所はないか?他には?他には?」と考えて行く事が楽しくて仕方なくなりました。とても充実していました。
 もし、私が何の苦もなく始めから簡単に笑える人間だったらこういう事は考えなかったし、どんな曲目も一辺倒の表情で踊っていたと思います。ハンディキャップがあって本当に良かったです!
 本番の出来は、会長から100点は頂けませんでしたが、私自身は合格点を自分にあげました。ライブの再演も来年の1/30に決定しました。(しかも、昼夜2公演!)今度は会長から100点を頂ける様に頑張ります!!!
 最後に、私達には基本的なダンスの技術がありません。ですが、一つの曲目を踊る事でその中に入っている技術を後付けでも良いからマスターして行きたいと思っています。
 小さなお子さんを2人も抱えて忙しいにもかかわらず懇切丁寧に指導をして下さった五十嵐ひとみさん、ありがとうございました。それから治ちゃん、一緒に踊れて楽しかったです。これからもよろしくお願いします。そして、全出演者、スタッフの方々に感謝しています。
 毎回、荒木会長プロデュースのイベントに参加する度に感じるのですが、そのイベントを通して仲間作り、家族作りをさせて頂いている様に感じます。今回も以前よりも距離が縮まった様に感じた方達が沢山いました。主役の顔田顔彦さん、タジマジックさん、わか葉さん、ムーラさん、堀さん・・。
 色んな気配り、心遣いをありがとうございました。そして、そして、、、ダンスだけじゃない、こんな素晴らしい経験をさせて下さる荒木一郎会長、本当にありがとうございました!
篠原康子(初回のチケットデザイン・ライブの感想)
 迷優・顔田顔彦があなたに贈る・・「奇想天外・誰も体験しなかったマジックショー」I WANT YOU お前が欲しいんや
 おもしろすぎるタイトルー、チケットを担当させていただいた私は、さっそくチケットに書き込む材料として、この宣伝文句をもらい、まず大爆笑です。しかし、もらった福田さんの写真(会長が撮影)は、ハードボイルドで、とってもイカしてる。このギャップ、たまらない・・・センスがいいなぁ・・・とワクワクしました。
 会長自ら仕上げられたチラシ作りにもほんの少しだけ、かかわらせていただきましたが、顔田の表情がとにかくおかしくて。脇役のオバマやマイケルジャクソン(このイラストはマガジンでお馴染みの永井弘勝さん作)のポジション、そしてセリフもとてもおかしい・・・センスがいいなぁ・・・・と、またワクワク。
 【人がみて楽しくならなきゃ、行ってみたくならなきゃ「チラシ」の意味がない】という会長のセリフが、ピタリと凝縮され表現されていました。
 マジック業界に関らせていただいて十数年たちましたが、チラシからして、こんなマジックショーいままで見た事ない。芝居仕立てのショーは、海外マジシャンのものをみたことはありますが、脚本が稚拙で、先が読めてしまい、ちっとも面白くなかった事だけ印象に残っています。
 今回、私は観客として客席から観させて頂きました。顔田ライブは、とにかく、演出・脚本がすばらしかった。プロデューサーを務められた荒木会長は天才ですね。・・・とにかく、センスがいい! 幕が開いて10分ほどで、すぐに魅了されました。そんなことそうそうあることではありません。
 舞台を埋め尽くす紫煙(実際はそんな煙はでてませんでしたけど、そういうムードでいっぱいだったので)、哀愁溢れる音楽、ちょっとサイズのあってない、ゆるめの黒スーツ、謎の女からの電話・・・・会長流のコメディセンスが随所に光ってます。
 どれを取ってもカッコいい。うん、ハードボイルドは、なんてったってかっこよくないといけない。まずその点でも満点・大満点。あの福田さんがですね、とにかく、かっこいい、ステキ、驚きですよ。いつもの福田さんからは想像できない(注;言いすぎではありません)。
 マジックと質のよいユーモアをベースとして、ダンディズムを楽しむ大人の娯楽として、ハードボイルドがソフトに融合されている。それらの全18景は一筋縄ではいかない、ミステリアスな群集劇。
 当然ながら、登場人物達も、珍妙かつ魅力的なキャラクターとして、これでもかとばかりのご登場。その脇役さん達もセリフもしぐさもとてもいい。よーくみると、出演者が司会の佐々木さんだったり、山田さんだったり、堀さんだったり、プリあらスタッフじゃーん! びーっくりです。私のお気に入りは、ヤクザの一景。皆さんのヤクザぶり、最高でした!
 主役の顔田さんは、「鼻田さん」になり「口田」さんになり、職業もキャラも七変化。メイクも衣装もかえての登場がいくどもあって、その早変わりのため舞台袖は大変なことになっているんだろうなぁと、想像して、そこも楽しんだ。
 次は、どんな格好ででてくるんだろぅって。普段のおっとりとした福田さんのどこに、こんなバイタリティーがあったのだろうとホント感心しちゃった。
 シーンの合間を飾ったタジマジックさんと若葉ちゃんの「タジマジロとかまもと」もすごく好き♪ふたりとも、ドジでかわいくて、そして、マジックはすごく不思議だった。このギャップもたまらなかった。
 その中でも異彩を放ってとても魅力的で、強烈に印象にのこったのは「謎の女性」役の五十嵐ひとみさんのシーン。そして、工事現場リーダー役のムーラさん。主役の次に何役もこなしていた、松本さんです。
 「どんだけ、不条理な脚本なの」と思いながらも、景を重ねるごとにドンドン引き込まれいきました。流れる音楽の素晴らしさに感動しつつ、気がつけば、ずーっと、お腹を抱えて大声で笑っていました。「不条理とは、何よりもまず高度の滑稽である」というどこかの名人の言葉が頭に浮かびました。
 不条理な展開、通常の予測を大きく外れたシーンの連続。全18景は、ソコで構築されたのにもかかわらず、ストーリーの完成度は高い。結末は、ロマンチックでファンタジー♪
 アメリカでカメラマンをしている友達にこのライブの話(不条理な物語)をしたら、その「ライブ」からアメリカの空気が見て取れる、その空気は日本では感じられないものだよ、と話してくれた。
 へぇー、なるほどなぁ・・・。あらためて、荒木会長の凄腕を感じた。とてもとてもセンスがいい!!
 ハードボイルドファンを魅了するの代表作品レイモンドチャンドラーの「ロンググッドバイ」とも松田優作の「探偵物語」とも一線を画する、探偵・顔田顔彦を作り上げた荒木会長の天才的な才能が、またどこでかで発揮されることを楽しみにしています。次回作が待ち遠しいです。
ケン正木(観客代表)
 シチュエーションマジックの真髄を見せていただきました。
 荒木会長の演出力に、ただただ驚くばかりです。あらかじめ島原の乱とかダンスが出るとは聞いていましたあれほどぴったりショーの中に芝居と音楽とマジックとダンスが溶け込んで楽しいショーになるとは!!
 共演者も役者以外のプリあらおなじみの人たちが適材適所はまりやくで、みんな芝居がうまい!これも会長の魔法?!!
 あの4人が、あんないい人たちがやくざになっちゃったり、コーラス隊になったり、そこでのマジックが又面白く、工事現場はうまくジャグラーを効果的につかい、ダンスもきれいでお芝居になっており、マジックが不思議さを超えて面白さ、楽しさ、おかしさを十分に発揮した面白すぎるショーでした。
 荒木ファミリー最高です!これ、もう一回みたいです。
佐々木由喜雄(制作)
 階段のところで堀さんと、お帰りになるお客様をお見送りした。
 お子様から年配の方まで、皆さんがこぼれるような笑顔で口々に、面白かった、楽しかった、ありがとう、と言ってくださった。とても嬉しかった。
 しかし今回、荒木会長から頂いた点数は63点。実は、顔田顔彦ライブはまだまだこんなものではないのだ。ありがたい事に来年の1/30(日)、中目黒のキンケロシアターでの再演が決まった。
 みんな、今度こそ100点目指して頑張ろぉー!
 改めまして、このライブを決断してくれた顔ちゃんの情熱と、荒木会長の愛情に感謝申し上げます。どうもありがとうございました。
顔田顔彦(主演)
<事の始まり〜
 今年の春前、自分の誕生日が過ぎたころ、荒木会長から電話を頂きました。
 「きみのライブをやろうと思って、探したら良いところがあったんだよ。月○日と△日と、7月4日が空いてるんだけど、どの日にする?」「えっ!?じゃ、じゃあ7月4日で」「あ、そう。まあ一日だけだけど、一回やってみようよ。じゃあ7月4日で。じゃまた」
 一分にも満たない電話のやりとりでした。電話を切って十分ほどぼんやりしてました。あれ?俺いま、大変なこと決めたんじゃないの?一日考えさせて下さいとか言うべきじゃなかったのか?
 しかし会長に返事をしてしまった。どうしよう・・・ 以前からそんな話は、会長に何度も伺っていました。
 マジシャンは舞台でライブをやるべきだ。オリジナルの世界観を持った台本を準備し、演出家による演出を施し、音響照明も入れ、チケットを売って観客を呼ぶ。定着するまでは赤字にもなるし苦労も多い。けれどもそれが本筋であり、芸人を育てエンターテイメントを真に面白くする、と。
 その強くて明確なビジョンのもと、「ぺるライブ」が開催され好評を博しました。「いや、ぺるライブの後にやるマジシャンは、大変だろうなあ」などと言っていたのですが、まさか、その半年後にボクに話がまわってくるとは。
 数日間、頭を抱えて考え、ひとつ閃きました。すなわち、プリあらの人たちに声をかけて共演してもらい、協力もしてもらおう!会長にも相談しまくろう。そう。他力本願です。
 そう腹を決めると、イメージが湧いてきました。そうだ、出演者はオジサンだらけにしたい。そしてシチュエーションと台詞をきっちり決めて、会長に演出してもらい、ひとつの芝居として成立させるようにする。その中にマジックの現象を入れていこうと。
 これは実は、私がプリあらに関わるようになって何度か例会などでマジックを披露した時に、会長から「キミは役者なんだから、そのスタンスから発想してマジックを演じなさい」とアドバイスされていた事に直結していました。
 そこで、参考にしようとしていたマジックの本やレクチャービデオを封印し、思いついたアイデアを相談するために会長宅に通うようになりました。
 桜が散って若葉の出てきた頃でした。
<台本準備〜
 最初に出来たのは、「島原の乱・隠れキリシタン」のネタでした。
 これは手を使わずに手品をやりたい、というアンチマジックな考えが元です。縛られた状況で、明らかに手も足も使えないのに不思議な現象が起きるというものです。舞台上ではっきりと縛られているのが分かる状態というとやはり十字架。⇒十字架といえばキリスト教。⇒縛られてるんだから迫害を受けている隠れキリシタン。⇒そいつが神に祈るとしょうもない奇跡が起きる。といった塩梅です。
 さっそく会長にそのアイデアを話すと、すごく笑って頂きました。斬新でちょっと間抜けで面白いと。「でも一晩考えたんですが、オチが思いつかないんです」すると即座に会長が、「最後死んじゃうんだよ」キラリーン!!
 そ、そうだ!それが一番面白いじゃないか!迫害に屈することなく奇跡を信じて神に祈り続ける男が、気づくと死んでる。シャープなオチだ。なぜ俺は思いつかなかったのか。まさに天啓でした。
 このようにして、ネタを出しては膨らまし、台本を書いては全体を会長に書きなおして頂き、形を作っていきました。
 とにかく、実現できるかどうかは置いておいて、ざっくりとしたアイデアを会長に相談し、足りないアイデアを補足してもらい、書きだすとどうしても長くなる私の原稿を整理して頂きました。
 むっしゅ佐久間さんを出したい。英語をしゃべれるけど、どうか。老人看護で、老人がマジックをやって看護師が驚くのはどうか。体を切断するレーザー・イリュージョンがやりたい。オジサン達がダークスーツ着てヤクザの格好してるネタがやりたい。ダンスをしながらマジックをしたい。タジマジックさんやわか葉さんにも出て欲しい。
 会長にぶつけた私のアイデアは、実際のところかなり大ざっぱなものでした。
 それを聞いていだき、全体としてはある探偵を主人公に設定し、その男が調査に来た町で一人の女に恋し、そして因縁のあった依頼者に殺されてしまう。その探偵が調査していた殺人予告の被害者は、実はその探偵自身であったという斬新な切り返しのある物語を創り上げて頂きました。
 その中に、おかしな町の不思議なエピソードとして各ネタを配置し、音楽とナレーション、タジマジックさんとわか葉さん演じるタジマジロとかまもとのエピソードなどが、間を繋いでゆくという構成になりました。
 全ての選曲・編集、探偵のモノローグの全原稿、タジマジロの全エピソード、むっしゅさんとのシークエンスの原稿とマジックの手順など、あらゆる箇所の原稿執筆、リライトなどを会長にして頂きました。
 私がえっちらおっちら書いて送った原稿をその日の朝にはリライトして頂いたのです。そのスピードの速さに舌を巻きました。その作業は、ご自身の3デイズのライブ期間中にまでやって頂き、大変恐縮、感謝しました。
 台本がほぼ出来上がったころ、短い梅雨が過ぎ、猛暑の夏がやってきました。でも細かいマジックの道具や手順は出来てませんでした。
<練習、準備また準備〜
 原稿の準備と並行して、中身の練習も始まりました。「男女のダンスとマニピュレーションやプロダクションを融合させたものをやりたい」という私のイメージ先行のアイデアを具現化するため、会長に選曲して頂き、ダンサーの五十嵐ひとみさんを振り付けと相手役にお願いしていただきました。
 「けっこう踊れると思います」などと少々得意になっていたものの、いざ練習を始めてみると、プロのダンサーの目からは基本からなっていなかったらしく、立ち姿勢の矯正から始めるような段階でした。
 けれども、振りをつけて根気強く練習につき合って頂き、おかげで観客からは「ダンサーの女性が素敵だった」という感想ばかりを頂戴しました。
 むっしゅさんの役は、町の情報通といわれるものすごく怪しい男になりました。何の断りもなく英語しかしゃべらないというかなりぶっ飛んだキャラクターです。
 こんな人物を無理なく演じられるのはむっしゅさん以外にいないでしょう。このシークエンスには、お札を数える際のスライハンドのテクニックが必要で、そのために佐久間さんは仕事中も何百回となく練習をされたそうです。
 老人と介護士でマジックをという希望は、介護士が二人羽織のマジックをするという構成になりました。
 老人役をお願いした芝原さんには暑い中、ハッピを着せられ入念にメイクを施し、つけひげを付け、頭にベビーパウダーを振りかけて白髪頭になって頂きました。乱暴に頭を叩くたび舞台に白い粉が舞い散って、大変面白うございました。
 そんな中、「マジックの監修を山田さんにお願いしたから」という連絡が会長からありました。本格的に夏が到来し、日を追って気温が上層してきた頃です。
 会長宅で山田さんに会ったとき、「ダンケンは出来るの?」と聞かれ、私は「まあ、出来ると思います」と答えました。ほんとはダンケンは全くやったことがありませんでした。
 じゃ、ちょっとやってみて。と言われてケーンを振ってみたものの、意外にというか当然というか全然ダメで、「全然ダメじゃないか」と山田さんは頭を抱えました。
 山田さんに本番用と練習用の二本のマイクダンシングケーンを作って頂き、基礎の振り方からみっちりコーチして頂きました。のみならず、そのシーンの電球を使った一連のマジックの道具から手順まで、すべて構成して頂いたのです。
 少々話がそれますが、私の中で、このライブの前に出演者としても参加した「ぺるライブ」と違うもの、ということがひとつ大きなテーマとしてありました。ぺるちゃんのキュートで華やかなステージと同じ方向でやろうとしてもきっとダメだろう、とするならば、中年の私はもっと年上の男たちを集めて、笑える男臭いマジックショーはどうだろうと考えました。
 さっそく会長に相談したら、私自身の誕生日の話から、吉永小百合も同じだと私が言うと、「じゃ、二人しかいない誕生日ってことで、おじさんたちが世界は二人のためを唄うのがいいよ。みんなポンチョ着てソンブレロかぶって。それを最初にやろう」という意見を頂きました。
 これも目からウロコでした。いきなりノッケに歌を持って来るとは!
 数日後、会長にそのオリジナルのカラオケを製作して頂きました。そして、ポンチョを着て歌う男たち(タジマジックさん、むっしゅさん、山田さん、堀さん、佐々木さん)が集まり、会長指導のもとハモリも入れたサウンドトラックを録音したのです。
 録音マイクを前に男性陣が並んで真剣に、ふ〜たりのため〜せぇ〜かいはあるの〜♪と歌っているのは、なんだかとても幸福な時間でした。
 仕事を持っておられる男性陣が会長宅に集まり、「ヤクザのいるレストランに営業に来たマジシャン」の稽古を、夜中にもしました。さすがに年配の男性が5人も黙って座っていると、それだけで迫力と緊張感があります。
 これは若い役者には出せない存在感です。稽古なのに、皆さんの威圧感に押されて全身から汗が噴き出てきます。ヤクザの男たちは無口で不穏な空気を漂わせているが、身の危険に対しては瞬時に反応する。その緊張感から瞬発力のある笑いが生まれてきます。
 これを成立させるため、会長から細かい台詞の間やニュアンスの指示がありました。
 翻弄される営業マジシャンの姿を引き出すために、台本も後半部分を会長に書きなおして頂き、もっとマジシャンが追い込まれていくような形になりました。
 舞台役者の松本勝さんは比較的若いのですが、これまた切れたら怖い若衆の役作りが完璧で、その怒鳴り声で反射的に謝ってしまいます。このネタは、お客様の反応が特に良く、やはり熟年男性たちとやってよかったと実感しました。
 さて、台本は一番最初に出来た「島原の乱」のシーンですが、この準備はそれはそれは大変でした。
 山田さんご夫妻、堀さん、佐々木さんに連日、私の住まいの赤羽に集まってもらい、十字架に縛られた隠れキリシタンの脇の下や懐や股ぐらから、花や酒や天使が出てくるというまことに下らないネタのための仕掛けを、深夜まで真剣に試行錯誤してくれました。
 おまけに山田さんのアイデアで、襟首からスルメイカがぴょーんと飛び出してくる仕掛けまで考案しました。従来のマジックから見れば、邪道で訳の分からないネタです。
 しかし時代劇(それも悲劇的なキリシタン弾圧)と笑いとマジックを融合させるというむちゃな力業を面白がって下さった会長と共演者に、本当に感謝しています。
 深夜時に、仕掛けの細い糸を小さな穴に通すために、老眼になった皆さんが背を丸め目を細めている姿を見て、このメンバーならではと思いつつ、なんだか嬉しくて涙が出ました。
 「ドバイの壺を監視する警備員」のシーン。これも仕掛けの大変なネタでした。警備員の目の前で、ガラスケースに展示してあった高価な壺がひとりでに宙に浮き、平行移動していったんゴミ箱に入り、そしてまた浮かんで回収されるという複雑な動きを実現させなければならないのです。
 これも山田さんと佐々木さんのアイデアとテクニック(表に出ないけどかなり難しい)で、本当に壺がそのように動くようになったのです。本番では、浮いた壺が平行移動の途中で、床にボトリと落ちて転がるというアクシデントが起きました。舞台裏で秘密の作業をしていた山田、佐々木両氏は、声を出さずに大慌てだったそうです。
 が、うまく復帰して再び浮き上がり、より不思議さが増す結果となりました。このライブ自体、従来からあるマジックのタネをそのまま使うのではなく、シチュエーションとストーリー展開に合わせてマジック現象を出現させるという方法です。マジック監修である山田さんのアイデアと影の工夫が随所に凝らされています(一応マジックなのでそれは明かせませんが)。
 やりたかったレザーイリュージョンのマジックは、「工事現場」という構成をいただきました。胴体が切れた本人が意地でも「切れてない!」と主張するというかなりナンセンスなのものです。
 ドリフ的なコントで、ジャグラーのムーラさんのリアルな風貌と確かなテクニック、ひょうひょうとした台詞まわしが相まってとても印象的でした。作業服と吉幾三の歌ががあんなに似合うジャグラーはムーラさんをおいて他にいないでしょう。
 上司の松本さんと私の掛け合いも弾んで、お客様からは「昔からの芝居仲間かと思った」と言われました。
 このナンセンスコメディに、家族を養う男の哀愁のエッセンスが加わったのが、会長の演出たるところです。このシーンの終盤、計算された緩やかさで照明が変わってゆき、音楽がフェードインし、無口な堀さんだけが残るのです。バカ笑いだけでなく後を引く終わり方です。
 このギミックは、ジン工房・今田さんの特性です。今田さんオリジナルの仕掛けが施してあり、自由に動くことが出来て体勢も取りやすくなるよう工夫されています。
 男臭くてドタバタしたマジックコントの間での、3人の女性ダンサーによるダンスが、華麗でチャーミングで、まさに一服の清涼剤だった。と、舞台を観た知人が評しておりました。まさにその通りだと思います。
 とにかくダンスシーンを誉めるお客様が多かったです。五十嵐ひとみさん振付は、かなり高度で難しい振りだろうと思います。治子さん、美佳さんすごい!
 五十嵐ひとみさんと共に踊ったダンスは、かなり評判がよく、もちろん評判のほとんどはひとみさんの力でして、この踊りで二人の男女の出会いを表現できたのではないかと思っております。私は踊りの稚拙さをなんとか雰囲気で畳み込みました。
 もともとは、マニピュレーションやプロダクションをダンスの中に入れたらが最初のヒントでした。それを、荒木会長が、一人の探偵が依頼人に導れてある町にやってきて、そして運命の女性と出会い、死別し、そして遂に探偵は衝撃的な真相に気付くというストーリーにし、モノローグの形で構成されました。
 が、この縦軸のストーリーが、バラバラのマジックコントをひとつの街で起こったエピソードの連なりとして結びつけ、物語全体に統一感をもたらしました。
 すごい離れ業です。それに、タジマジックさんとわか葉さん演じるタジマジロとかまもとのシークエンスをも同じ街中で起こったエピソードとして結びつけたのです。
 このライブでもう一つ重要なのが、そのタジマジロとかまもとのシーンです。お二人をゲストとして呼びたいと会長に進言した時、「出るのはいいけど、幕間で出てきてマジックひとつやるんじゃ、単なる時間つなぎだ。二人には台詞もきちんと書いて、役を演じてもらう。誰も見たことのないタジマジックじゃなきゃ意味がない」と、おっしゃいました。
 そして、二人のシーンも全て会長に書いて頂きました。うらぶれたマジシャンと花を売る女性が出会い、街角で二人でマジックを見せようとする。でも打ち合わせ通りにいかず客に呆れられ、でも最後には奇跡を起こす。
 そんなエピソードを、タジマジックさん、わか葉さんに、素敵な演技で見せて頂き。最後のシーンでは客席から大きな拍手が沸き起こりました。
 いつもの派手なエンターティナーとは違う、役者の顔のタジマジックさんとわか葉さんでした。
 そしてついに舞台のラスト、公園のベンチで息絶えた男が実は、探偵であったとその死んだ探偵自身が気づくという衝撃的なシーン。イリュージョンがらみのクライマックスです。
 中宿くんが演じる、ベンチで息絶える男に、私・顔田がブルーシートで足先と頭は出た状態でカバーし、直後にその死体と入れ替わるというものです。
 このセットに使われたベンチやブルーシートも、山田さんに作って頂きました。しわしわのブルーシートにさえも、ある細工がしてあるのです。
 この人体交換を成し遂げるために、また山田さん、佐々木さん、堀さん、私とで、考えに考えていろいろな方法を試しました。会長に何度も電話で相談し、一時は、木の書き割を作ってその後ろを通って、もう一人の人間とも入れ替わってなどと複雑な手順までも検討しました。
 結局、もっとも大胆かつシンプルで、けれども何気なく見えるところは繊細にやるという、マジックの常道の方法が採用されました。
 本番でミスしたら時間以上の上演がドッチラケになってしまうという、とても重要な場面です。やはり緊張しました。
 ブルーシートのカバーをはぎ取って、私が現れた時、客席から拍手が起こりました。記録的な猛暑の中、オジサン達、女性たちは汗まみれでした。
 本番当日、14人もの出演者、18ものシーンを滞りなく進行する上で、観客には決して見えないけれど、裏方さんの役割は本当に大きいと今回改めて感じました。
 せわしない着替えの合間を縫ってメイクをして頂いた酒井玲子さん。シーンごとに開け閉めし、時には半開きにしたりもする幕の係りの比見かなえさん。シビアなタイミングで緊張の連続だったと思います。あふれかえる小道具と衣装をきっちり整理し、シビアな時間の中で着替えを補助して頂いた山田恵美子さん。本当に助かりました。みなさんなしでは本番は乗り切れなかったです。心からありがとうございました。
  最後に、少々堅い話を。ルソーという思想家が、舞台表現について残した言葉です。
 「広場の真ん中に花を飾った杭を立て、そこに人を集めてください。そうすれば、あなたがたは一つの祝祭を始めることになるのです」 
 荒木会長と今回こうしてひとつの舞台を作るために長い時間ご一緒して、その時によくこの言葉を思い出しました。
 広場の真ん中に花を飾った杭を立て、人を集めることのできる人の存在があり、そこに人が集まって祝祭という舞台が作られる。
 すなわちプロデューサー、荒木会長の存在です。
 今回、プロデュースのみならず、チラシデザインから台本、演出、音響に至るまであらゆるところに指示を与え、創り上げて頂きました。
 色々なことに自信を失ってマジックをやり出し、そして「プリあら」に出会えてよかったです。感謝は言葉では尽くせません。その他、公演にご協力くださったスタッフ関係者の皆様、本当にありがとうございした。楽しかったです。

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